米国Laboratories of Anatomical Enlightenmentにて『Fascial Dissection 2017』に参加しました。

 昨年に引き続きアメリカアリゾナ州フェニックスで開催される『Fascial Dissection 』(人体解剖実習)に参加してきました。ホルマリン漬けの解剖された人体を観察するのではなく、実際に参加者がメスを持ち、チームごとに課題を設け、冷凍保存されていた献体を解剖して進めるクラス。クラスをリードしてくれるのは、『アナトミートレイン』の著者として世界的に有名でロルファーでもあるトーマスマイヤース氏と、ロルフィングのトレーニングの時にも人体解剖クラスでお世話になった解剖のエキスパート、トッドガルシア氏。この2人によるリードは、筋膜をはじめとした膜組織を意識して、表層から深層へと層ごとに丁寧に進める解剖が魅力です。

 クラスを充実させるには、解剖学をしっかりと頭に入れておく必要があります。これは、昨年参加した時に感じた率直な感想です。昨年は自分の専門である筋骨格系、普段見られない深部組織、脳や脊髄といった中枢神経系、これらを中心に学びを得ました。それに対し神経や血管、臓器に関しては、初めて生で目にして直接触れた印象の方が強く残ってしまい、知識の浅さを痛感しました。

 しかし、それが私の昨年のモチベーションとなりました。まるでそれを見透かされているように、昨年は日本ロルフィング協会で神経血管系、内臓系、骨への働き掛け、胎生学などバラエティに富んだワークショップが開催され、参加させて頂きました。中でも胎生学は、解剖の知識を統合してくれました。学生時代、歴史の授業の年表や出来事を覚えることが苦手で、歴史には出来事を結ぶ流れがあることを知った時のようでした。(それでも歴史は頭に入って来ませんでしたが、、、)筋肉、骨、内臓、神経、血管など、1つ1つの組織も元を辿れば1つの受精卵から成っていて、形成されていく“流れ”があります。それはつまり筋骨格系、内臓、神経、血管など1つ1つのパーツが集まって人体が成っているのではなく、全てが1つとなっていて影響し合っています。人の身体を学ぶ真髄であり、解剖を学ぶサポートにもなりました。

 これは、現在の身体に関するトレンドにも現れているように思えます。一般の方の身体への関心は幅広く、年々新しい情報やテクニックが更新されています。本屋の店頭に並ぶ本のタイトルが象徴していて、健康、美容、機能改善のどの分野でも、筋骨格系だけでなく、自律神経、血管、腸、筋膜などのフレーズを良く見かけるようになりました。今回の解剖実習で学んだことを踏まえて、今年はこういたトレンドに対し、自分のプロフェッショナルである技術や知識の軸をぶらさず、アジャストしたいと思っています。そして、昨年同様、来年の解剖実習も有意義に参加できるよう学びのある1年にしたいと思います。